【青葉区米ヶ袋】仙台藩の忠臣、烈士伊東七十郎重孝、終焉の地にいく【よりみち散歩】
全国津々浦々、お地蔵さんやお不動さんが縛られているのは、よくあるお話。縛られている理由や由縁は、その土地どちで変わりましょう。ただお地蔵さんが縛られていると、どこかオカルトっぽいことを連想しがち。米ケ袋の縛り地蔵は、ホントは烈士伊藤七十郎重孝をめぐる歴史探訪なお散歩スポット。されど、経緯からすると・・・
仙台ヒストカル、烈士伊東七十郎の姿に重ねて供養する縛り地蔵
歴史探訪のようで、オカルトのようなちょっと変わった仙台の名所
今回、案内するは、ホントは歴史探訪、されどその経緯などからオカルトなスポットのように語られる仙台市青葉区米ケ袋の「縛り地蔵」。東北大学の片平キャンパスのお隣にある閑静な住宅街のヒスカルト※。そんな空間を、あなたもお散歩してみませんか?
お地蔵さんやお不動さんが縛られているなんていうのは、全国津々浦々、よくあるお話。ときに大岡裁きで、ときに殿方の心をつなぎとめるため、ときに災いを封じ込めるため、ときに願掛けのため、と理由や由縁は、その土地どちで変わりましょう。
この地においてのお地蔵さんは、供養と願掛けとのっ引きならないこころ持ちを鎮めるため、といったところでしょうか。
※「ヒストリー×オカルト=ヒスカルト」というコンセプトで、安倍晴明ゆかりの京都の地をめぐるCSの番組から拝借
【米ヶ袋】縛り地蔵 ’Sメモ
仙台市内なら角五郎に縛不動明王、塩釜にも縛り地蔵があったりと、縛られている地蔵菩薩や道祖神のなどは、全国津々浦々数多くみられる風習ではありますよね。縁起や理由は、それぞれにありましょう。この地においては、どんな感じでしょうかね・・。
ところで、だれが供養されているの?
供養されているのは、烈士伊東七十郎重孝という人物。伊達騒動(寛文事件)をとりあつかった山本周五郎の『樅ノ木は残った』で、あなたもご存知のことかと。人物に関する詳細について、ここでは触れませんが、Wikipediaで「烈士」とみてみると・・
烈士(れっし)とは、節義の堅い、名誉のために殉じる人物のこと(『史記』李斯列伝、伯夷列伝)。
Wikipedia 「烈士」 より
というわけで、仙台藩のために節義の堅く、名誉のために殉じた伊東七十郎重孝が最後の命をともしたのが、この場所だとされている。
なぜお地蔵さんを縛って願掛けするの?
では、なぜこのお地蔵さんは縛られているのだろうか?
これは、正直なところ明確な答えはない。理由をいくつか挙げて、整理するならば・・
①伊東七十郎重孝が縛についてこの地で処刑されている姿に模した
②その後、辞世のことばどおりに恨んだ相手が藩政から排除された
③伊東七十郎重孝のやるせない気持ちを鎮めるため
④大岡越前守忠相の裁きで「江戸で地蔵が縛られた」という話をきいた
⑤広瀬川の上流でお不動さんも縛られているし、どこか習わし的に
というわけで、風習的と伊東七十郎重孝の姿を投影させ、心を鎮めるための供養をしつつ、祈願成就にあやかった、こんな理解でよろしいのかと・・。
【米ヶ袋】縛り地蔵 ’Sフォト
現地の案内板によれば、現在のお地蔵さんは二代目とのこと。初代は、まもなく終戦というときの仙台空襲で焼失・・(戦後、GHQのジープに轢かれたとする説もある)。祖父は伊達政宗を守り命を落とし、孫は伊達家の将来を憂い命を落とす。それが政宗公の霊廟がある霊屋下のすぐそばに、烈士の供養の地蔵がおかれている。どこか忠義碑のような伊達騒動めぐる歴史探訪スポット。
ただ、古地図でみれば、近隣には牢もあり、さらにもともとここが刑場であり、そして供養とは云えお地蔵さんが縛られている、いまっぽい感じだとやはりオカルトになってしまうのか・・
「米ヶ袋」縛り地蔵へのアクセス情報ほか
例祭日ほか
例祭・毎年7月23日、24日
※例祭のある7月になると、赤い提灯や幟(のぼり)がぶら下がっています。
周辺地図
アクセス
(市営バス)
バス停 霊屋橋・瑞鳳殿入口 徒歩9分
(仙台市地下鉄)
愛宕橋駅 徒歩12分
五橋駅 徒歩17分
※グーグルマップにて計測
あわせて行きたい&近くのお立ちよりスポット
あわせていきたいスポット
愛宕神社
処刑された後の伊東七十郎重孝の骸は、瀬を挟んで向かいの誓願寺(愛宕神社の別當寺(べっとうじ))に持ち込まれる。そのため、愛宕神社には伊東の碑が建てられている。
重孝神社
伊東の一族が住まっていた石巻市北村。NHKの時代劇『樅ノ木は残った』の放送にあわせてつくられた伊東を祀る神社。石巻の桜の名所、旭山に行くのであれば、立ち寄りたいスポット。
近くのお立ちよりスポット
霊屋下セコイア類化石林
仙台市指定の天然記念物。御霊屋橋から広瀬川の下流(米ヶ袋方面)にみえる堤の先の大きな岩々は、セコイア類の珪化木の化石の群。化石とも云われるメタセコイアあわせて、本物の化石もあなたもいかが?
鹿落堂
仙台三十三観音めぐり第三十三札所大蔵寺観音堂。そのお隣は、かつては鹿落旅館、現在は鹿落堂というお蕎麦屋さん。お散歩の締は、お蕎麦&スィーツで舌を唸らせるべし!
出不精な三丈が云うのもなんですが、たまにはあなたも仙台ヒスカルトなお散歩、してみませんか。